QSTは日本の先端技術の最先端を担う病院
その1
QST病院は量子科学研究開発機構の中にある国立研究開発法人の中にあります。
そして、量子生命医学、量子ビーム科学、核融合エネルギーの3つの部門のうちの量子生命医学部門の中に位置しています。
量子生命医学部門の中は量子医科学研究所、放射線医学研究所、量子生命科学研究所、QST病院の4つに分かれています。
そしてQST病院の中に経営戦略部、治療診断部、医療技術部、看護部があります。
その2
QST病院での治療を決めた経緯
昨年の7月に前立腺がんが見つかって、初期のがんであり、しかも進行の遅い前立腺がんで手術でも高い確率で完治できることから、手術はもちろん選択肢の一つでした。
県病院では手術か放射線が標準治療であり、どちらにするか考えてきてくださいと言われました。
いくら進行が遅いといってもぐずぐずはしていられません。前回にもその経緯についても触れましたが、手術は万能ではないということ、はっきりとした数字は主治医は言ってくれませんでしたが、手術後5年後の再発率は他のガンよりは低いですが3割くらいはあるように感じました。
放射線治療はどうかのかと聞いた聞いたら、手術と同程度と言われました。
身近な先輩が同じ病気で、しかも手術でなく放射線治療を2年前に受けていました。彼が放射線治療を受けることにした決め手は同じ病気で手術した人が尿もれという後遺症で悩んでいる人が多いということでした。もちろん尿もれは個人差があります。ちゃんと克服して治る人もいますが、8人中7人が後悔していたことでした。
そこで放射線治療にする方向で考えましたが、調べているうちに、重粒子線治療があることを知ったのです。
ただし、四国ではその治療は受けられない。愛媛から近いのは、大阪府と兵庫県でした。
そして、東京都心部を調べたら、千葉県と神奈川県で受けられることが分かりました。
ちょうど長女一家が名古屋から東京に転居したところだったので、千葉県にあるこの病院で受けられるなら1番と思いついたわけです。
早速病院に電話すると、受付の方が丁寧に対応してくれました。治療の前に何回か行き来しないといけないが、どうにも待てないほどではない。
ちょうどその頃コロナ禍でどこの病院もコロナ以外の治療が逼迫、遅延していて、県病院で手術を受けても早くて12月末か年明けと言われました。
そうして、僕はこの重粒子線治療にかけてみようと確信したのです。
その3
重粒子線治療の仕組みとQST病院が発足以来やってきた実績について
重粒子線治療は炭素イオンを光速の70%にまで加速してがん細胞に照射し、死滅させる治療法です。
量子科学研究開発機構、略して量研は1993年に世界初の重粒子線治療施設の開発に成功、これまで25年以上にわたり重粒子線がん治療の研究と12,000人を超える患者さんの治療に取り組んできました。数多くの研究報告を国内外に発表し、重粒子線治療においては世界のトップを走り続けています。
これまでの重粒子線がん治療の臨床研究の成果として、従来の放射線治療では十分な効果が期待できない場合にも有効であることが多くのがんで証明できました。また、副作用の少ない治療が短期間に実施できるよう、照射技術の高度化を進めつつ、段階的な短期化にも取り組んできました。短期化については、X線治療では、多くのがんに対して1回の線量を少なくし、回数多く照射する分割照射が用いられるため長期間の通院が必要なのに対し、重粒子線は生物効果がX線より2~3倍高いので、少ない回数での治療に適しているという特性に基づいて進めてきました。加えて、照射による効果を患部に集中できる点(線量集中性)でも、X線より優れていますので、副作用の危険性を増すことなく、少ない回数での治療法の開発が可能となります。
従来の治療法では治療が困難ながんにも有効であること、副作用の少ないことなどから、重粒子線治療は骨軟部腫瘍、頭頸部腫瘍、前立腺がんの保険適用となっています。また肺がんや大腸がん、子宮頸がんなど幅広いがんの治療において国の先進医療に認定されています。現在、重粒子線がん治療研究の直近の目標は、これらの全てのがん種の治療の保険適用です。その先には標準治療として多くの施設で短期間に高レベルの重粒子線治療が受けられるようにすることを目指す必要があり、QSTではそのための高度化を踏まえた標準化にも取り組んでいます。
重粒子線治療は身体の奥まで届くので様々な部位への治療が可能になります。
敷地内でも桜🌸が咲き始めました